富士学院の先生方、スタッフの方々は家族の心をも支え続けてくださいました。そして、未知なる世界へ挑み続ける我が子と共に、合格を最後まで信じ続けてやることができる親に育てていただいたことに、深謝申し上げます。

A・T様(お母様) 久留米大学医学部医学科前期一般選抜合格

  • 合格大学久留米大学医学部医学科 

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三月三十一日の早朝、ほっこりと薄桃色に染まり始めた桜土手を後にし、息子と二人、新幹線に乗り込みました。約二時間で久留米に到着します。引っ越しの荷も学生寮に前日届いています。新生活の準備は万端ですが、隣の席の彼は、わずかの間に深く寝入ってしまった様子です。上半身を大きく左に折り曲げて、口は半開き、という姿からは、強い疲労が見て取れます。
「あなたは本当によく頑張ったよ。」と心の声を掛けたのと同時に、不意にこれからの彼の大学生活に思いが及び、何とも言いようのない不安が胸の内に広がり始めてしまいました。
三年間の富士学院の指導を受け、今春、念願の医学科合格を掌中にした喜びに存分に浸る間もなく、新生活の準備に取り掛かった約一ヶ月間は、彼にただ緊張と不安だけをもたらしたのではありません。それは、長い受験生活を終えた彼に、次に新たに取り組むべき課題を自覚させながら、着実に過ぎていったのです。緊張と不安から生まれる疲労を感じる中にあっても、周囲を知る、または知ろうと努める姿勢を持つこと、そして、様々な場面を通して自身を捉え直すという作業を続けていくことの大切さに気付いたようで、今後の日常における心構えなるものを、彼なりに掴めたのではないでしょうか。
富士学院で始まった受験生活は、「目に見えるもの」と「目に見えないもの」とのせめぎ合いの連続でした。勉強量、その内容等に比例するような結果が思うように出せず、昨年は自分の弱点を継続的に洗い出す作業を繰り返し行い、精神的にもひどく追い詰められる時期もありました。教室長、先生方、教務スタッフの方々の、的確で時には厳しいご指導に、彼は冷静な自己分析の必要性を痛感し始めました。自身の内面の状態から日常生活行動にまで及ぶ、この「見つめ直し」がもたらした自覚こそ、更なるステップアップへの踏切板となったはずです。ただ、今の彼は、既に未知なる困難に向き合う態勢に入っています。もっと力を抜いて、と何度でも言ってやりたいほどです。けれど、この日々の積み重ねが、彼が求めて進む路を開く、彼オリジナルの鍵となるはずです。
三年間、毎月届けられた富士学院からの報告書。先生方、スタッフの方々の生徒を柔らかく見極めようとされる真剣さが丁寧に織り込まれているようで、家族の心をも支え続けてくださいました。そして、未知なる世界へ挑み続ける我が子と共に、合格を最後まで信じ続けてやることができる親に育てていただいたことに、深謝申し上げます。
新天地へと向かって走る新幹線の中で、不意に湧き起こった不安に少々戸惑いましたが、「ま、何とかしていくでしょ。」と、その日、三月三十一日を彼の「独立記念日」と勝手に制定し、隣の席で私も、ホッと太く息をついて目を閉じたのでした。